多様化する日本画/(2006年・日展)
トーゴー:まずはオーソドックスに第一科の日本画から。
ハロルド:この作品、なんかいいやん。感じるものがある。
トーゴー:バカ! 高山辰雄氏だよ。日展顧問でまさに画壇のトップだよ!
ハロルド:なるほど。さすがやね。このマチエールと雰囲気。
ただ者じゃないと直感でわかった。
トーゴー:「自冩像2006年」ていうのもかっこいいよね。
要するに自画像でしょ。もう、かなりの高齢だよ。
なぜ、今、氏が自分を絵にしたいと思ったのか? 深いよね。
大山忠作氏の作品はどう思う?
ハロルド:「瑞翔」かぁ。なんか、めでたい感じはするな。
トーゴー:なにげに、鋭いな。お前。
氏は悠仁親王のご生誕の慶事にあやかって、めでたさを意図して表現したらしいよ。
大山忠作氏も言わずと知れた大御所。
ハロルド:それは、知らんかったわ。
ところで、この作品なんかは力強さのなかにも
華やかさがあって、いいやん。アントニオ猪木の様な迫力があって・・・。
「軍鶏」土屋禮一氏。
トーゴー:アントニオ猪木って・・・。
確かに猪木的な華やかさは、大事なポイントだね。
戦うために生まれて来た軍鶏の威厳に満ちた闘争性が伝わってくるよね。部屋に飾れるような色調の明るさもいいよね。
今日の日本画ってさあ、凄く面白くてエキサイティングだと思うんだけど、ただ人物表現は難しいよね。
なぜかな? 洋画の作家は人物表現巧いよね。
現代では洋画家の方がデッサン力あるのかな? 素朴な疑問だけど。
ハロルド:そういえば、そやね。
トーゴー:「たおやかな水辺」加藤晋氏の作品は純粋に美しい表現だね。
ハロルド:それは言える。
実際に原画を観ると上部に木目を残した品のある表現に感動もんやね。
この、描き込み過ぎないバランス感覚ってなかなか、でけへんな。
おおっ!この作品、いいやんけ。なんか訴えかけて来るものがあるわ!
トーゴー:なになに、「食」長谷川喜久氏。
なぜ、熊をバックに肉を食べようとしてるんだろう?
よく観ると周りは植物に囲まれている。中央にシンメトリーの大胆な構図も不思議。
ハロルド:食物連鎖かなんかを表してるんちゃう?
とにかく、俺は色んな表現の中で「食」のシュールさが気に入った!物語性がある。
トーゴー:俺なんかは、この作品が良いと思うな。「青の記憶」川嶋渉氏。
とてもポップな感覚で、部屋に飾りたくなるような清らかで美しい表現作品。
ハロルド:だんだんお前の好みがわかってきたわ。
トーゴー:あっ、そう?
それにしても日本画って表現が多様化していて面白いね。
この、蝶の曼陀羅も神秘的で力強いよね。「蟲」仲島昭廣氏。
ハロルド:特選やって。
トーゴー:よく観ると色々な表現の工夫がなされていて、絵の中に吸い込まれそうになる幻想的な逸品。
「蟲」と正反対にこのカバ良くない? 「夢現」鈴木一正氏。
すごく優しい気持ちになれる作品。ただよう、平和な感じが良いね。
ハロルド:「夢現」って「夢幻」とかけてるんかな?
俺は遠目で鑑賞するなら、「風景」堤春生氏の作品がええと思う。
ちょっと、強烈すぎるから、絵から離れての鑑賞がええねん。
トーゴー:なるほど。確かに会場の中では押し出し強いよな。
それも、大きなポイントだと思う。
これだけの作品の中で埋もれてしまわないのって、とても大事。
「乳牛」宮崎幸子氏の作品も新しい日本画の表現の予感を感じさせる作品だな。
ハロルド:レコードジャケットでも通用しそうやね。
トーゴー:全体的に日本画を総括すると今後、若手作家の新感覚に期待します。
今回も多様な表現はさることながら大胆な発想の作品や、力作も多いので将来的にも大いに期待が膨らむばかりです。
ハロルド:いや〜、俺的には「食」がベストやね。
To be continued.

