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2006年12月08日

自分との対話/銀座

ハロルド:それにしても、1800万円はビビったわ。

トーゴー:そう? 上には上があって、平山郁夫氏の世界までいくと、
訳わからなくなってくるよ。号500万円とか・・・。

ハロルド:日本画壇の構造が、まだ、今イチわからへんな。

トーゴー:世界で通用するかっていうと、はてな?な世界だけど・・・。

ハロルド:ここら辺で、若手の作家を鑑賞しましょう。

トーゴー:柴田悦子画廊で開催の「森栄二彫刻展」

ハロルド:「はだかの王子様」この作品は、どうやら楠に彩色を施してんな。  


[はだかの王子様] 森栄二

トーゴー:遠い記憶の中にある、自分でもあやふやな、大切な物語を感じる作品。
氏は彫刻をとおして「自分との対話」を試みているのではないか?
「はだかの王様」と何か、かかっているのかな?
幸運にも、森栄二氏に伺う事ができた。

氏は、全然、関係ない。と言い切った。「思想性は全く無いです。」

ハロルド:なるほど。他にもおもしろい表現を試みており、
展示の仕方にも工夫がみられる。
この、画廊全体にただよう、なんとなく、懐かしい匂いみたいなものは
会場に足を運ばないと、わからへん感覚やな。

トーゴー:気鋭の作家。氏の彫刻に対する真摯な態度が伝わって来るね。

ハロルド:優しい人柄が表れている。今後の活躍に期待!やな。

トーゴー:次は、ギャラリー銀座エストで開催の「我流毛筆展」を覗いてみない?

ハロルド:この看板、「我流」のわりには、ものすごく、おさまりがいいんやけど・・・。

トーゴー:まぁ、看板だから・・・。わかりやすく書いたんでしょ。
でも、ちょっと、このコピーが気になるな。
手本を持たず、師を持たず、模す事を排し、ただひたすら自分の「書」をかく。
上手で無くて良い。自分なりのいい「書」を書きたい。・・・

ハロルド:「書」はそれで、いいんちゃうか。自分流で。

トーゴー:いや、俺は古典に学んだ上で、表現した方が、品格が出ると思うけど。

ハロルド:そうすれば、師風や会派色の強いものになってしまうで。
大体が、師匠と同じになってしまい、それを超えられへんやろ。

トーゴー:でも、書は学びながら表現するという側面を持っていると思うし・・・。
秘かに、独学で古典を学ぶ事もできるじゃん。普通は学びたくなるものでしょ。
臨書は絵画でいうデッサンみたいなもの。それを、すっ飛ばして、
いきなり創作っていうのは、いかがなものか?

ハロルド:まぁ、ええやん。その辺は自由で。とにかく観てみよう。

トーゴー:おぉ、おもしろい表現だねぇ。大胆で自由な発想。
「真 shin」大内晃氏の作品はフリージャズのような響きがあり、
それでいて、筆の勢いを感じる作品。  


[真 shin] 大内晃

ハロルド:断ち切りとかも、やっちゃっていいんや。自由やし。

トーゴー:元祖は、上田桑鳩氏が1950年に、構図構成の一種の拡張として、
試みた表現だね。のちに、井上有一氏や須田剋太氏なども試みている。
というか、須田剋太氏ははみ出しを恐れない、とても力強い表現が特徴。
それらとは、違い非常に楽しげな作品だね。

ハロルド:それは、自由に楽しんで書いているからちゃう?

トーゴー:確かに、この会場にある作品群は、楽しげというか、陽気だね。

ハロルド:楽しんで創作している。大切な事やと思うで。

トーゴー:「hana」山脇昇氏の作品も、はみ出しちゃうぐらい元気だよね。


[hana] 山脇昇

ハロルド:花の生命力が楽しげに表現されてんなぁ。

トーゴー:「空/土」は、どう? 高橋修一郎氏。  


[空/土] 高橋修一郎

ハロルド:この作品は、「空」が羽ばたく鳥を表し、
「土」が腕を組んで、じっと佇む人間。
俺にはそう観えるで。

トーゴー:なるほど。いわれてみれば、そういう風に観えるなぁ。

ハロルド:なかなか、味わい深い作品やね。

トーゴー:「こ・こ・ろ」はもう、
こちらの心も弾むようなリズミカルな表現だね。志賀綾奈氏。 


[こ・こ・ろ] 志賀綾奈

ハロルド:書って難解になりがちやけど、とても親しみやすく、
人間らしさがにじみ出ている。

トーゴー:この、我流毛筆の会は、詩人で、書評論家でもあった疋田寛吉氏の
「我流毛筆のすすめ」に感銘した者達が氏を訪ね、
初めて毛筆を握ったことが始まりらしい。

手本を持たず、誰からも書法を習わず、
ただひたすら書き続けながら、
「自分との対話」の中で自分の書を見つける。

生前、疋田寛吉氏はこう言ったという。

そつなく見栄え良く書かれた「書」、 いかにも手慣れて達筆風に書き流された「書」を排し、 人それぞれの気性に良く似通った、他人に模倣出来ない筆跡があって、 同時に何かしら面白いところがうかがわれる書を評価する。 書の美醜ではなく、書にあらわれたその人の投影が、問題である。

ハロルド:まさに「書は人なり」やね。

トーゴー:俺も、我流毛筆の会に入って、いきなり、自分の書を目指そうかな。

ハロルド:意見変わっとるがな!

トーゴー:っていうか、我流だから、自分でやればいいんじゃん。

ハロルド:勝手にしろ!

To be continued.

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