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2006年12月15日

ゴッホと村上隆/銀座

トーゴー:クリスマスのディスプレイが綺麗だね。 

ハロルド:これは、資生堂やな。もうすぐ、クリスマスやな〜。

トーゴー:資生堂って、美術・芸術のメセナ活動に力入れてるよね。

ハロルド:俺は、こっちの方がいいわ!

トーゴー:おぉ、シャネルか! 

ハロルド:アンディー・ウォーホールみたいでカッコええな。

トーゴー:俺は、ルイ・ヴィトン派だから・・・。
トランクから入ったし。シャネルは帽子屋さんが始まりだったっけ?

ハロルド:そんな事はどうでもいいけど、もう夜やし、「あかね画廊」で締めましょう。

トーゴー:「Aspect in Crew」と題された、石田富也氏の個展。

ハロルド:船員の表情、光景?っていう意味かな?

トーゴー:ゴッホをオマージュした作品が、特徴的だね。

ハロルド:良い悪いは別にして、氏を突き動かす何かを、感じる。

トーゴー:中でも「水の回廊」は氏がイメージする、
一番心地よい場所を表現しているかの様だ。 


[水の回廊] 石田富也

ハロルド:釣りをテーマにした作品もあるで。

幸運にも石田氏と会話する機会に恵まれた。

氏は小学生の時に出会った一冊の画集、 「ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ」に衝撃をうけて 画家になったと言う。 もし、画家にならなかったら、地元大分で漁師をやってたんじゃないかなぁ。 と、氏は笑いながら語った。 氏にとって、ゴッホは好きなアーティストというより、 もっと、超越していて特別な存在らしい。
彼は言った。 村上隆氏の「芸術起業論」っていう本読みました? 僕はとても楽しく読んだ。 ただ、ゴッホは自分の耳を切り落としたから、評価が高いんだろうと 村上氏は書いてるけど、僕は、思うんです。 「やっぱり、作品ですよ。」
話はゴッホから、ミロ、大竹伸朗氏などのアーティストの話から、 氏が現在在住している小平市での生活の話まで多岐に渡った。

トーゴー:村上隆氏の「芸術起業論」という書籍なんだけど、
俺はおもしろく読んだのだけど、どうなのかな?
何か、広告代理店の本みたいじゃん。

ハロルド:ええんちゃう。俺はビジネス書として捉えたよ。

トーゴー:タカアンドトシじゃないけど、
「欧米か!」って突っ込みたくなったよ。
だって、若者がアートを志すのって、
もっと、パッションとか突き動かす衝動とかがそうさせる訳じゃない?
熱い何かが・・・。
世界基準(欧米)の「文脈」を理解して、
プレゼンテーションするっていうのに、
みんなが影響うけたら、まずい事になると思わない?

ハロルド:思わへん。どっちにしろ、淘汰されるやろ。

トーゴー:「新しいゲームの提案があるか」
「欧米美術史の新解釈があるか」
「確信犯的ルール破りはあるか」

確かに村上氏は日本の大衆文化のなかから成功する要素を
欧米に提案した訳だが、逆に言えば現在日本の既成文化のパクリに過ぎないんじゃないか?
オタク文化を知らない欧米人が、これらの引用的背景(元ネタとも言える)を知らず、
村上氏のオリジナリティと勘違いして、間違った評価をしているのではないか?

ハロルド:だから、いいんやって。
日本が、自前で評価基準を作れないから、
村上氏は着想や概念を輸出する翻訳業務をする事によって、
世界基準で活躍してる訳やし。
欧米の文脈に従ってるだけ。当たり前の事をしているだけやねん。

トーゴー:マティスのような天才にはなれないが、
ピカソやウォーホール程度の芸術家の見た風景ならわかるって
語ってるけど、彼らはもっと、スキャンダラス・スターな感じがするけど・・・。
村上氏はこれからじゃない? ピカソやウォーホールみたいになるのには・・・。

ハロルド:少なくとも、コンセプト作りや、プレゼンテーション、
作品のマネージメントにおいて、村上氏が優れた作家なのは、間違いない。
まぁ、日本が、自国でコンテンポラリーを評価できないのが問題やな。

トーゴー:日本には固定資産税の問題もあるしな。相続税の問題も・・・。
欧米では美術品を買う事が、ひとつのステータスになってる部分があるし、
パトロンシップともいうべき、社会性を持ったコレクターが存在する。
一方、日本は隠し持つっていうイメージが、あるよね。
村上氏が日本を捨てる気持ちもわかる。

ハロルド:だから、あの本はいいんやって。
もっと、過激であってもいい位や。
日本画壇の構造とかについて、もっと言及してるのかと期待したけど、
その辺については、あまり触れてへんかったな。
それにしても、石田氏の作品とあの本は全然、結びつかないけど・・・。

トーゴー:石田氏は小学校の時、観たゴッホの絵が突き動かしてるでしょう。
ゴッホ自身も村上的な方法論なんて考えた事もないだろうし・・・。

ハロルド:小学校の時、観たゴッホの画集がきっかけか・・・。
そう考えると、アートの力って凄いよな。

トーゴー:そうだね。俺も、ヴィトンのモノグラム・マルチカラーの
財布を使っていて、キャバクラで「かわいい〜!」って言われるもんな。

ハロルド:お前、村上ファンやんけ! アホ!
それに、キャストさんの言葉で、勘違いするなよ!

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コメント (4)

nonorico:

前略まいど☆楽しく拝見しております。
芸術は幅広いし解釈も沢山あるから、難しく面白いものですねー。芸術を愛している人ソレゾレに価値区分があるのですかね?私はすべてパッションの熱量で芸術の好き嫌い
を決めているようです。熱にも色々あって青い炎系と赤い炎系やらと。。。個人的には、小さく赤い炎が体の中心の奥に誰に従うこともなく燃えてるような芸術が好きです。ゴッホ好きですが、赤々と燃えすぎて悲しくなります。村上さん?負けず嫌い感が出すぎて純粋に作品を楽しめないのですが。。(笑)凄い人だとは思うのですが。。。。なので、また、わたし好みの芸術が登場するのを待ち、このジャーナルを読み続けますっ☆love to harold☆

トーゴー:

ゴッホは悲しくなりますか。もの凄く、鋭い感性の方ですね。
ゴッホ作品の情熱には、圧倒されますよね。下手なんだけど、底知れぬパワーを感じる。
同時代に生きた人々には、理解出来なかったけど、後世の人々に愛されている。
やはり、絵画としての力や魅力がないと評価され続ける事はない。
実は村上隆氏も、俺にとって、好きなアーティストの一人だ。
ただ、「芸術起業論」というコトバに、影響を受けてしまうこれから芸術を志す若者達にとって、はたして良い本なのかどうか?
ハロルドさんは、「どっちみち淘汰される」という大人な意見を述べているが、どうせ淘汰されてしまうなら、若いうちはゴッホみたいな、訳の分からないパワーに影響を受ける方が、良い青春になるのではないか?
村上氏も若いときはアニメーターやなんかを目指して、闇雲に熱かったみたいだし、
その熱かった青春時代は村上氏にとって、きっと良い経験だったはず。
やはり、若者は熱くないと・・・。
しかし、一方で「芸術起業論」という本を高く評価しています。誰かがこういう事を言わなければ!と強く思っていたからです。
だから賛否両論を承知の上で、わざわざ、村上氏が発言するって事にも拍手を贈りたい。確信犯的に行っているにしてもです。
それに、「概念芸術家」にしては、村上氏の作品群は、緻密で冷静なのだけど、
ある種の熱を持っていますしね。表現に力がある。
あの本はR30指定かな?美術を志す者にとって・・・。
若き芸術家はもっと原始的に好きな事をした方が幸せなのではないでしょうか?
大人になれば、社会人として嫌でも村上本みたいな考え方を持つから。
社会人になれない芸術家(ゴッホみたいな人)はすでにある種の、天才なのではないでしょうか。だから、あんな本、必要ない。
それでも、「芸術とマネー」について理解をした上で芸術表現をしたいと考えるならば、村上本をどうぞ。決して悪い事は言ってない。とても勉強になる。
本自体は半分に省略できる内容ですが、良い本です。
村上本を読んだ上で熱く情熱を燃やす!
でも、あくまでも美の表現をしたい!という気持ちやパッションが先に来ないと、芸術家として、本末転倒になりますよ。と俺は言いたい。

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