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2007年06月20日

迷走好きの頑固者/高山辰雄

ハロルド:昨日のブログの記事、
投げっぱなしジャーマンやったぞ!!
ディープ過ぎるわぁ!!

トーゴー:じゃあ、今日はライトに高山辰雄氏の世界へ・・・。


[聴] 高山辰雄

ハロルド:どこがライトやねん!!
明らかに深いやんけ!!
それに、お前の美の基準って「エンターテインメント」
やったん違うの!? 実はマニアック!?

トーゴー:バカやろう!! 
マニアックとは何だ!! 現代日本画壇のトップランナーとして
今もなお、走り続けている高山辰雄氏に向かって!!

ハロルド:でも、一般的に高山辰雄氏の作品は難しい、
難解やという意見もあるで・・・。


[二人] 高山辰雄

トーゴー:ちょっと、いい?
ちょっと高山辰雄氏を語らせてくれ・・・。

ハロルド:短くな・・・。

トーゴー:戦時下では美術展さえやめなければならない状況で、
そんな中、絵描きとして高山は苦悩の時代を過ごす・・・。
この頃の高山は一ヶ月のうちのほとんどが
アルバイトで、すごろくやカルタ、絵本などを描いて
生計を立ていたらしい・・・。
その合間に作品創作の時間を作る・・・。
栄養失調状態が続く困窮を極めた生活の中で
「人間はなぜ生きているのか」
「どうして生きなければならないのか」
「生きる価値はなぜあるのか」
という問題を真剣に考える・・・。
そんな、喰うや喰わずの中で全力を傾けた作品が日展で落選し、
大きなショックを受ける・・・。
この時、先輩画家、山本丘人氏の勧めで
ゴーギャンの伝記を読み、その生き方に共感する・・・。

ハロルド:今でこそゴーギャンって、もてはやされてるが!?
当時はどうだったの!?

トーゴー:売れなくても時代に媚びることなく自分の絵を描いた。

ハロルド:それが、芸術に打ち込む励みになった訳やね・・・。

トーゴー:貧乏のことや、入選、落選、特選なんかもあまり氣に
ならなくなったと・・・。絵について少し自分というものが
わかった様な氣がし、もう色でも形でも自分の好き勝手に描いてやれ
という覚悟ができた・・・。
こっからだね・・・。高山芸術が昇華して行くのは・・・。

ハロルド:平坦な道のりではなかったんやなぁ・・・。

トーゴー:高山自身が語っている事だが、
その日その日の鏡みたいなものが自分の絵だという事。
絵というものは逃げても逃げても鏡。
うまいとか、まずいとかは別。描かれている花や、絵具が、
美しいとか、きたないとか、そんなことは問題ではないと・・・。
別にあるのは自画像なんだと・・・。


[夜の風景] 高山辰雄

ハロルド:確かに、高山芸術は物質的説明ではない、
内面的な自分の訴えを、創造的に表現活動している様だね?
俺はその「情念」みたいなモノが、あの独特の
マチエールに乗っかって、恐さみたいなモノも感じるんだけど・・・。

トーゴー:深いよねぇ〜。生きる事の喜びや悲しみをも超えた
「生」そのものへの根源的な慈しみとでも言うべきか・・・。

ハロルド:人間の尊厳。「生」を受けて行くという創造の厳しさと
いうものを象徴しているようやね。弱いんだけれども自立していく
創造のエネルギーとも言うべきか・・・。

トーゴー:画家の使命として、生命的なものの根源とか、神秘的なもの、
深いものを探ろうと常に挑戦している・・・。
日本画とか、伝統とかに縛られることなく・・・。

ハロルド:高山辰雄氏の世界は、プロレスに例えると
独り初期パンクラスやな・・・。妥協なきシュートの概念を
探求し、鮮やかに魅せる・・・。

トーゴー:氏の言葉にこんなのがある・・・。
「筆と自分を同化させたい、願望だね。
自分の肉体の延長に筆がある。あるいは自分の体内に筆を持つ・・・。」

ハロルド:船木やねぇ〜。
でも、一生かけてそれを続ける高山辰雄という芸術家・・・。
頑固と言うべきか、迷走好きというべきか・・・。

トーゴー:常に「極限」を求めて止まらない・・・。
やっぱり、強い信念なんじゃないかな・・・。

ハロルド:今年の日展が楽しみやわぁ・・・。

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コメント (5)

匿名:

高山辰雄氏はライト級なんですか¥(笑)おおーそかあ。
この二人ってなんかいいですね。
色。ないけど、ほんわか・・・がつたわってきますね。

ナガサキ:

高山辰雄、ええですねぇ〜。個人的には好きな作家なんですが、…なんていうか、もろてを揚げて肯定しにくいなぁ〜。
良い意味でも悪い意味でも影響力が強すぎて日展の憂うべき現状を作った張本人って気がしますし…。

エンタメな狩野派みたいなとは真逆の表現も"アリ”やとは思うんですが、この表現が主流ってのもなぁ〜。なんか微妙。

船木もプロレス界に戻ってきた事だし、高山辰雄もエンタメになったりせえへんかなぁ。 アッ、でも船木は今、柴田をガチレスラーに育ててるか…

トーゴー:

高山氏の出現は、
当時、帝展が改組して日展となり、
自由で新鮮な作風への脱皮を考えたという
時代的背景もあった・・・。
特に伝統色の強い日本画は廃止論さえ
起こる時代であり、洋画では特に印象派の
新鮮な雰囲気が日本人に認められた・・・。
当時としては、伝統を新しく破って
非常に革新的な仕事だった・・・。
今は主流的なのかもしれないが、
出現当時は、戦後美術界に受け入れられるまでに
少し時間がかかるくらい、
斬新な表現だったと思う・・・。
功績は大きいじゃないかな!?

bun:

「売れなくても時代に媚びることなく自分の絵を描いた。」
っでご飯が食べられて・・

って素晴らしく運のいいことですよね。

まあ、とにかくよい鏡でないとここまでの評価はされないですよ。


トーゴー:

よい鏡でしょうねぇ・・・。
毎年、氏の地元・大分の美術館から
の作品購入の際に、
「僕のは寄贈するから、若い作家の絵を
買ってあげてよ・・・。」って言うらしい。
人格者でもあり、非常に革新的な
表現を続ける氏の世界は、
出会うたびに、味わい深く考えさせられる・・・。
真の美とは何か!?

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